原文
- `士卒たる者は大工にして手づから其道具をとぎ色々のせめ道具をこしらへ大工の箱に入て持統領云付る所をうけ柱こうりやう共てうのにてけづりとこだなをもかんなにてけづりすかし物ほり物をもしてよくかねを糾しすみずみめんどう迄も手際能く仕立る所大工の法也
- `大工のわざ手にかけて能くしおぼえすみかねを能知りて後は統領となる物也
- `大工のたしなみ能きるる道具を持透々にとぐことが肝要也
- `其道具をとつてみづし 書棚 机 卓又はあんどん まないた 鍋のふた迄も達者にする所大工の専なり
- `士卒たる者このごとく也
- `能々吟味有べし
- `此道を学ばんと思はば書顕す所のことごとに心を入て能吟味有べきもの也