一六 一 まぶるると云事

原文

  1. `まぶるる
  2. `と云は
  3. `敵我手近くなつて互に強くはりあひて果敢ゆかざると見れば其儘敵と一ツにまぶれあひてまぶれあひたる其内に利を以て勝事肝要也
  4. `大分小分の兵法にも敵我方わけては互に心はりあひて勝のつかざる時は其儘敵にまぶれて互にわけなくなる様にして其内の徳を得其内の勝を知りて強く勝事専也
  5. `能々吟味有べし