原文 `新たになる `とは `敵我戦ふ時もつるる心になつてはかゆかざる時我気を振捨て物毎をあたらしくはじむる心に思ひて其拍子を受て勝を弁ふる所なり `新になる事は何時も `敵と我きしむ心になる `と思はば其儘心を替て各別の利を以て勝べき也 `大分の兵法に於ても新たになると云所弁ふる事肝要也 `兵法の智力にては忽ち見ゆる所也 `能々吟味有べし