一五 一 敵を打つに一拍子の打ちの事

現代語訳

  1. `敵を打つ拍子に
  2. `一拍子
  3. `というのがあって、敵と己が当たるほどの位置を得て、敵の態勢が整わぬうちを読み取って、その身も動かさず、意識もせず、極力早く真っ直ぐに打つ拍子をいう
  4. `敵が太刀を
  5. `引こう
  6. `外そう
  7. `打とう
  8. `と思う心の芽生えぬうちを打つ拍子、これ一拍子である
  9. `この拍子をよく習得して、間の拍子を早く打つことを鍛錬すべし