一七 一 かどにさわるという事
現代語訳
- `角にさわる
- `というのは
- `何事も、強い物を押すと、そのまま真っ直ぐには押し込みにくいものである
- `大分の兵法にあっても、敵の隊を見て、張り出しの強い所の角に当たってその利を得るべし
- `角が減るにしたがい、どこもみな減る感覚である
- `その減る中にあっても、角々に気を配って勝つ利を生かすことが肝要である
- `一分の兵法にあっても、敵の体の角に痛みを付け、その体が少しでも弱くなり、崩れる体になってしまえば勝つことは容易いものである
- `この事をよくよく吟味して勝つところを弁えることが専一である