現代語訳
- `問
- `能においては序・破・急をどのように定めればよいのか
- `答
- `まず、最初の演目である脇の申楽(猿楽)は、極力、正しい典拠の、淑やかながらもあまり細やかでなく、音曲も舞も自然で癖のない風合にすること
- `第一は祝言すなわちめでたさであろう
- `いかによい脇の申楽(猿楽)であろうとも祝言が欠けては叶うまい
- `たとい能は少し拙くとも祝言ならば悪くあるまい
- `これはその日の序の段故である
- `二番、三番と破の段に及んでは得意な風体のよい能をすること
- `殊更その日の最後は急の段であるから、揉みよせて手数を増やして演ずること
- `また、後日の脇の申楽(猿楽)は初日の脇とは異なる風体をすること
- `悲劇的な筋書の泣申楽(泣猿楽)は後日などの中盤の破の段あたりによい頃合を考えて演ずること