一
現代語訳
- `一 申楽(猿楽)の濫觴、神代においては、天照大神の天岩戸にお隠りになった時、世が常闇になってしまったことから、月神の御子・島根見尊を始め八百万の神々が天の香久山に集まり、大神の御機嫌を直そうと神楽を奏し、滑稽な真似の才男を始められた
- `中でも、天の鈿女尊が進み出て榊の枝に幣を付けて声をあげ、ほとろ職(不明)踏み鳴らし、神憑りの様にて謡い舞い奏でられた
- `その御声が幽かに聞こえると、大神は岩戸を少しお開きになった
- `国土は再び明るく白くなった
- `神々の御面も白かった
- `その時の御遊宴が申楽(猿楽)の初めであるという
- `詳しくは口伝にあろう