二
現代語訳
- `一 釈迦仏の在す所すなわち天竺においては、須達長者が祗園精舎を建立、その供養の折に釈迦如来の御説法があったが、提婆達多が一万人の外道を伴って木の枝や篠の葉に幣を付けて踊り叫ぶために御供養を宣べ難く、釈迦如来が舎利弗に御目配せになると、その仏力を受け、仏殿の須屋壇の御後戸で鼓や鉦鼓を揃え、阿難陀の才覚、舎利弗の知恵、富楼那の弁説を以て六十六番の物真似を演じられたところ、外道は笛鼓の音を聴いて御後戸に集まり、これを見て鎮まった
- `その隙に釈迦如来は御供養をお宣べになった
- `それより天竺においてこの道は始まった