五
現代語訳
- `一 能においては、万事用心を持つべきこと
- `例えば、忿怒の風体にするときは柔らかな心を忘れてはならない
- `これはいかに怒ろうとも荒々しくならぬための手立である
- `怒れる中に柔らかな心を持つことは珍しい理である
- `また、幽玄の物真似においては強い理を忘れてはならない
- `これら一切は、舞、働き、物真似など、あらゆる事に安住をせぬ理である
- `また、身を使う中にも心の持ち様が必要である
- `身を強く動かすときは足踏みを忍ばせること
- `足を強く踏むときは身を静かに保つこと
- `これは筆では表現し難い
- `相対して行うべき口伝である