三八 那谷
現代語訳
- `山中温泉に行くとき、紀貫之の歌思ひやる 越の白山 知らねども ひと夜も夢に 越えぬ夜ぞなきなどに詠まれた白山・白根が嶽を背にして進んだ
- `左の山際に観音堂がある
- `花山法皇が西国三十三ヶ所の巡礼を遂げられた後、大慈大悲の観音像を安置なさり、
- `那谷
- `と名付けられたという
- `西国三十三ヶ所の第一番札所である紀伊国の那智と最終札所である美濃国の谷汲の頭二字を組み合わせられたとのことである
- `さまざまな奇岩、松の古木が植え並べられ、萱葺きの小堂が岩の上に造られいるなど、見事な土地である
- `石山の 石より白し 秋の風