原文 `此男ある奥山に入り、茸を採るとて小屋を掛け宿りてありしに、深夜に遠き処にて `きやー `と云ふ女の叫声聞え胸を轟かしたることあり `里へ帰りて見れば、其同じ夜、時も同じ刻限に、自分の妹なる女その息子の為に殺されてありき