原文 `外の地にては河童の顔は青しと云ふやうなれど、遠野の河童は面の色赭きなり `佐々木氏の曾祖母、稚かりし頃友だちと庭にて遊びてありしに、三本ばかりある胡桃の木の間より、真赤なる顔したる男の子の顔見えたり `これは河童なりしとなり `今もその胡桃大木にて在り `此家の屋敷のめぐりはすべて胡桃の樹なり