日本古典文学摘集
遠野物語
一〇六
まぼろし
原文
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海岸の山田にては蜃気楼年々見ゆ
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常に外国の景色なりと云ふ
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見馴れぬ都のさまにして、路上の車馬しげく人の往来眼ざましきばかりなり
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年毎に家の形など
聊
も違うこと無しと云へり