現代語訳 `和野の佐々木嘉兵衛が、ある年境木越の大谷地へ狩りに出かけた `死助の方から続いている原である `秋の暮れのことなので、木の葉は散り尽くし、山もあらわであった `向こうの峰から何百とも知れぬ狼がこちらへ群れて走り来るのを見て、恐ろしさに我慢できず、樹の梢に上っていたところ、その樹の下をおびただしい足音がして走り過ぎ、北の方へ行った `その頃から、遠野郷には狼がとても少なくなったとのことである